未来の特急

裕翔くんがセンター交代を乗り越えた話はとっても有名な話だとおもいます。やまちゃんとの関係がさらによりよいものとなりとても感慨深くあり、その歴史がわたしはだいすきで未来に期待しかありません。

そんな中でもずっともやがかかっていることがわたしにはあります。ここからはずーっとわたしの憶測による話になります。




裕翔くんはデビュー後の自身の変化について言及できるほどつよくなられました。それでも裕翔くんは自身のJr.時代の話にはよわいなあとおもっています。

デビュー後の変化を語るに当たってまずは裕翔くんがJr.時代どんなにエリートであったかがたいてい紹介されます。それが裕翔くんは本当にすきでないのだなあとおもいます。そういう場面で自分のエリートな過去をひけらかすこと、波のある人生のあゆみを好んで話すことなんてしたくないとは思うのですが、裕翔くんの反応は、わらっているけれど、こころの奥底でものすごくつよく拒否しているようなのです。


J.J.Expressのセンターを務めていました」
という紹介VTR中のコメントに小窓で
「そんなのもあったな〜〜」
と笑いながらいう裕翔くんがいました。

ぜったいに「そんなのもあったな〜〜」なはずはないんです。「そんなの」。こっちのショックがおおきくてそのあとのエピソード紹介はふわふわしながら見てました、正直なところ。ちいさなことなのですが。JJが裕翔くんにとってそんなに軽いものではない、とわたしは信じています。


2013年の少年倶楽部の未公開シーンとして、はっしーと裕翔くんの会話が放送されました。ふたりの会話はこんなものでした。自分のために文字起こししてみました。

橋本「エールについて」
裕翔「エールについて」
橋本「俺ねー、裕翔くんにエールもらったことあるんですよ、実は」
裕翔「え、いつですか」
橋本「J.J.Expressのとき」
裕翔「ハハハ」
橋本「あの、裕翔くんがセンターにずっとばーんって立ってて」
裕翔「はいはいはい」
橋本「いやほんと俺はなんか、この人の後ろでほんとにもうずっと踊っていたい、」
裕翔「ほんとにぃー?」
橋本「この人がいないとJ.J.Expressはじまらない!と思ってたからね」
裕翔「ほぉんとにぃー?」
橋本「うん、だからほんとに、」
裕翔「言いすぎじゃないの?」
橋本「裕翔は本当にエールの人だなって思いましたね」
裕翔「そう…ぼく〜はですねぇ、いやでもなんか、そういう風に見られてるとは思わなかった、今まで」
橋本「まじで」
裕翔「うん、なんか普通にだって、一番歳近いし、」
橋本「そうだね」
はしゆと「同い年だから」
裕翔「だからー、すごいいっぱいしゃべってたし、」
橋本「うん」
裕翔「他にいのちゃんとか大ちゃんとかもいっぱいいたけど」
橋本「確かにな!」
裕翔「けっこうここやっぱ仲よかった気がする」
橋本「そうね、うん、そうね」
裕翔「取材の現場でもさ、けっこう仲良かったりとかして、あ、そうだったのね」
橋本「そうだよ!」
裕翔「いやでも俺はね、今のABC-Zのはっしーから刺激受けてますよ」
橋本「ふふふ、ありがとうございます」
裕翔「歌もいっぱい歌ってるしね」
橋本「ありがとうございます」
裕翔「すごいいいことだと思います」
橋本「じゃあいきますか」


はっしーの言葉は本当にその言葉のまま、それ以上でもそれ以下でもないストレートなものでした。わたしははっしーの言葉がものすごくうれしかったです。でも、それを裕翔くんは真正面から受け取れず照れたように自分のこころを隠すかのようにオーバーに笑いながらなんとなく本題から逸らしていきます。核心には触れないように言葉を選んでいるような間もあり。最後の持っていき方は強引すぎてわらってしまいますが(笑)

正直このときすこしかなしかったです。JJでの同い年コンビはしゆとの会話なんてなかなか聞けるものではないし、自分たちから当時のことを話してくれるなんてなんて需要をわかりすぎている、と感動していたから。ものすごくすっきりしないものを抱えて、裕翔くんは自分がエリートとしてステージに立ってきたことを前向きに受け入れられてないのだなあって、このときからじわりじわりと感じてきました。


さらに、裕翔くんは明星の10000字インタビューでJr.時代のことをこんなふうに語っています。

ーJr.になってすぐJ.J.Expressが結成され、センターに選ばれるよね。
裕「ホントすぐでしたね。だから、目まぐるしかったです。いきなり、いいポジションに立たせてもらうことも多くて。撮影とかで“じゃあ並んで”って言われると“ここだろうな”って、自分から真ん中に立ったりしてましたね。今思えば、ヤなヤツですね」

ー入ったばっかでわからないから、それが普通だと思ったんだろうね。
裕「普通じゃないんだって、あとになって気づかされるんですけどね」



ーホント、Jr.になった直後から大活躍だったんだね。
裕「自分じゃ、調子に乗ったりしてる感覚はなかったんですけど、今思えば、気づかないうちに、どっかおかしくなってたと思うんです。幼かったな。すごく後悔してることがあって」

ー後悔?
裕「山ちゃんが入って、1年くらいかな。“やめようと思ってる”って相談されたことがあって。(中略)山ちゃん、踊りうまいって、みんなに言われてたんです。なのになんで、やめようと思うんだろうって思って。鈍感だったな。みんな、少しでもいいポジションに立ちたいって努力してるけど、なかなか報われないから悩むわけで。なのに、なんでやめたいと思うのか、なんで僕に相談してくるのかさえ、わからなくて」


わたしにとって幼いながら堂々とセンターに立つ裕翔くんの姿はとっても輝いていてかっこよくてだいすきで、ものすごく力をもらっていました。わたしがすきだった裕翔くんのことをまだ彼自身はこころからすきでいられないのだなあ、と時折さみしくおもうのです。

調子に乗っていた、とか他人の痛みに鈍感であったこと、そういうことが理由なのかもしれません。今考えればそうなのかもしれないけれど、右も左もわからないうちにセンターに立たされたにも関わらずそれをすっと受け入れて生きていける裕翔くんは本当にアイドルとして生命力のつよい勘のいい子どもだったんだろうとおもいます。やるべきことをやる、自分のいる位置を見誤らずなんの迷いもなく求められることを自分からできる、ということが裕翔くんをあの幼さにしてエリートにした理由なのではないかとわたしはおもっています。

当時の仕事量とその質が異常だったのは間違いないとおもいます。そんなエリートとして前を向いて走り続けなければならなかった、脇目も振らず走り続けた裕翔くんだから、裕翔くんめがけて走る子がたくさんいたのだとおもいます。
今のJr.を見ていてもおもうけれど、トップに立つ人に遠慮なんてしてほしくない。そこにいるからには容赦なくものすごくつよいひとでいてほしい。少なくともファンとして見ているわたしはそう思っています。だれかに嫌われるかもしれないけれど、そういう役回りになってしまうのは仕方ないとおもいます。幼いときにはそんなことわからないだろうけど、それを幼い背中に一身に背負いステージに、センターに立ち続けていた裕翔くんは本当にすごいひとです。
だからそんなにあのときの自分を責めないで、きらわないで……あのときの幼い裕翔くんに救われて支えられたひとはたくさんいるよ…!

20歳のお誕生日の翌日のコンサートで、裕翔くんは
「Jr.の頃から応援してくださっている方も、JUMPになってから応援してくださっている方も、よろしくお願いします」
と挨拶してくれました。あの幼きJr.の頃の、自分がすきになれない自分から、すきでいてくれるひともいると、裕翔くんは分かっておられます。なので、本当にこの文章は蛇足なのですが、ほんの少しでいいから、あのときの自分に寛容でいてあげてほしいなあと思います。




デビューから長い年月が経ち、あのときにぱっくりと空いた溝の両側でくるしんでいたひとたちが歩み寄れるほどになってきました。
きっとこれからそういう話が出る場面にたくさん遭遇できるのではないかなあとおもっています。WUさんが組んでくださったいのありはっしーの対談がたのしみで仕方ないです。

JUMPの10周年が近づいてきて、雑誌でJr.時代の曲もコンサートでできたら…といった声があがっていました。Ya-Ya-yahはもちろんのこと、JJの曲もわたしは聴きたい…!!!見違えるほどおおきくなった裕翔くんがまた堂々とセンターに立ってJJの曲を歌う未来が待っていてほしいので、それまでにすこしでも裕翔くんがあのときの自分をすきになってくれたらいいなあとおもっています。

いのありのおにいちゃんたちは特にJJをずっと大切におもってくれているなあと感じるので、よい影響を与えてくれるといいなあ…

また、俳優としての裾野が広がって、互いの交友関係から浅香くんと裕翔くんは既にどこかで出会っているのではないかとも勝手におもっているので、そういうきっかけでも裕翔くん自身の雪解けがはじまるといいなあとおもっています

JJにもいろんな歴史があるけれど、それをすべてねじ伏せるように裕翔くんには真ん中に立ってほしいなあ、裕翔くんがいなきゃJ.J.Expressははじまらないよ!という本当に本当に勝手な願望です。


これだけ時間が経っても難しいことをすぐにどうこうできるわけでもないので、いろんなきっかけからいつか、裕翔くんが幼くしてエリートとしてがんばっていた自分を、あのときの自分にはいやな部分もあったけど、あれはあれでよかったんだろう、と、そうおもえる日がきてくれたらいいなあと願っています。

すべてわたしの杞憂に過ぎないかもしれませんが…!




裕翔くん、幼きあなたはとびっきりかわいくてかっこよくてつよくて眩しかったよ!それは本当にこの世界に誇れることだとわたしは今までも、これからも、おもっています!


You were J.J.Express !!
That's Right !!!!!