ふたつの「ピンクとグレー」

映画「ピンクとグレー」観ました。

わたしが1/9という日を主演俳優のファンという、当事者として迎えられたことを本当に嬉しく思います。映画主演俳優の中島裕翔はアイドルの傍ら、主演俳優として記念すべき1/9を見据え見事に走り抜けました、そしてこれからぐんぐんスピードをあげて走っていきます。それをリアルに感じることができて、裕翔くんにはこんなにも素晴らしい世界が待っていてこれからも眩しすぎる未来があるのだよ!と幼き日のわたしに教えてあげたいくらいです。


ここからネタバレを含むことを書くので、まだ見ておられない方は読まないことをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わたしは原作を読んで映画を見ました。見終わった後にもやっとしたものも残りました。

 

加藤シゲアキの「ピンクとグレー」

行定勲の「ピンクとグレー」

ふたつのピンクとグレーについて感じたことをフレッシュなまま残します。

 

 

わたしは加藤シゲアキの「ピンクとグレー」が本当にすきです。原作を深く読みすぎると映画に集中できないとおもい、さらっと読んだつもりだったのに、映画を見るとここはこうだった、あそこはああだった、とおもうのです。それほどわたしのこころに深くささっているものが多かったです。

 

加藤シゲアキのピンクとグレーは「恋とか愛とかの類ではない」男同士の友情が色濃くかかれているとおもっています。シンメがだいすきなわたしは本当に、この「恋とか愛とかの類ではない」男同士のあつい友情がすきです。だからピンクとグレーはたまらないのです。同性愛に似ているかもしれないけれど、そうではないのです。ごっちがりばちゃんに仕事を振りつづけたのは、りばちゃんと一緒に仕事がしたくて、芸能という世界でもふたり並んでやっていきたくて、はやく自分のいるところにきてほしいっていう切実な思いがこめられているんですよ!!!映画ではごっち側の思いの経過は描かれないので、ふたりの口論のシーンは、ごっちは本当はりばちゃんに隣にきてほしいんだよ!!!!!!!!!!ってこころの中で叫んでました。このもどかしさ、原作を読んでいるひとしか感じていないなんて…

どこかで繋がっているふたり がすきなんです。淡白なようなのに、こころの奥ではお互いに対するおもいやりやあつい思いがある。そういうふたりが描かれていて。

 

「絶望的に素晴らしいこの世界の真ん中に僕は君と共にある」

わたしにはこういうふうにシンメが見えているんだなあって、ピンクとグレーに散りばめられている素敵な日本語をかみしめるように読みました。

なにより、わたしが見ているアイドル像が、現役アイドルの描くものとかけ離れていないことが嬉しくて。ちぐはぐでなかったんだ~という謎の安堵感。

 

 

 

行定監督の「ピンクとグレー」

わたしがもやっとしたのは、この「恋とか愛とかの類ではない」ものがなかったから。原作では白木蓮吾を演じるうちに、ごっちを理解していくりばちゃんなのに、映画のりばちゃんは演じてもなお、理解できなかった。ごっちとりばちゃんには最初から明らかな差があった。やはり奥底でつながっていたんだ、とわたしを夢心地でおわられてくれたのは原作。実際はそんなことはないのだと、気持ちよくおわらせてくれなかったのが映画。

芸能界の裏側。それを描くには原作は淡いタッチだったのかもしれません。わたしにとって、原作は「淡いピンクとグレー」、映画は「ビビッドなピンクとグレー」。

 

他人になることができるわけもなく、他人のことを理解できるはずもない。そのことを描いているのはかわりないと思います。それでも、原作はわたしが見ているジャニーズのアイドル像を崩さないものでした。それはジャニーズとして育ったシゲアキくんの無意識のものなのかもしれない、なんておもったりもして。行定監督は、芸能界の裏側とそこに渦巻く人のこころの黒い部分をビビッドに斬新に巧みに描かれているなあ、と感じました。夢ばっかり見ていないで、地に足つけて、人を気にしてばかりいないで、自分を見つめなさい、と言われているような気持ちになりました。映画は綺麗ではないけれど、本当に人間らしい。

そんな人間らしさを演じる裕翔くんのそばに菅田くんがいてくれて本当によかったなあ、とおもいます。シンプルに、お芝居でぶつかってきてくれて、ぶつかっていける、そんな相手にこのタイミングで恵まれたことも素晴らしい巡り合わせです。ぶつかりあった結果、仲を深めていくすだゆとは原作のふたりのようでとっても綺麗です。夏帆ちゃんとの巡り合わせも素晴らしいものです。夏帆ちゃん以外が思いつきません。劇中劇のごっち、りばちゃん、サリーのトライアングルもまたとっても綺麗です。

淡いのにビビッドなすだゆとふたりのきらめきをまた作品の中で見たいものです、そんな機会に恵まれますよう。

 

 

映画には裕翔くんの背景を見る余地があって。センターを外されてから、きっとやまちゃんになるにはどうしたらいいのか考えたこともあるのだろうなあ、ともおもって。うまくいかなくていらいらして部屋の壁に穴をあけた裕翔くんと、感情的にごっちの肖像画を傷つけるりばちゃんはどこかリンクしているなあと感じたり。悩んで悩んでものすごく黒い感情をまとっていた時期を越えて、自分らしさで勝負して世界を切り開いている裕翔くんに本当にぴったりで。

こういうふうに見ているから、わたしは映画ピンクとグレーのグレーな世界を真っ向から否定するきもちにはならなかったのだろうとおもいます。裕翔くんのファンでなければもっと否定的な感情を抱いていたかもしれない。


しかし、こんなにぴったりな映画に初出演初主演で出逢えるものなのでしょうか?必然だったのではないかとおもうくらい。素敵な作品、素敵な原作者である先輩、素敵な監督、素敵な共演者に恵まれた裕翔くんの記念すべき銀幕デビューは文句のつけどころがないです。まるで裕翔くんのためにお膳立てされたかのような、夢のような現実。でもこれはすべて裕翔くんが自分で引き寄せたもので、きっとこれからもこうやって裕翔くんは素敵なひとやものを引きつけて離さないひとになっていくのだろうなあとおもいます。

わたしにとって裕翔くんはNo.1だけれど、裕翔くんの生きる世界で裕翔くんは他のだれでもないオンリーワンの自分を手に入れました。それは本当につよいことです。中島裕翔というジャンルを生きていく裕翔くんを見られる未来が本当に素敵で、わたしの未来もとっても眩しくて輝いています。

 


 

 

やまちゃんは裕翔くんに、お願いだからはやくこっちにきてよっておもっていたのかな。こんなことも思いながらピンクとグレーを読み、観ました。

いずれにしろ、ふたりは絶望的に素晴らしい世界に並んでいます。とても美しくて尊い。そして、やまちゃんがソロデビューした日に裕翔くんは銀幕デビューを果たしました。新たな山田涼介と新たな中島裕翔が誕生した日が1/9。きっとふたりはそういう運命のもと引き合わされたふたり。ああつよい。ふたりのいる未来につよい光が差しすぎていてわたしは直視することができないけれど、わたしは淡い色を彼らから見出してこれからも生きていくのだろうなあ。 

 



 

はやくもう一度映画「ピンクとグレー」を見たい。もっともっとこの映画から溢れるほどの美を浴びながら、受け取れる情報を余すところなく受け取りたい咀嚼したい!

何回も映画を見て、何回も原作を読んで、これっきりでなくこれから長い時間をかけて味わえるピンクとグレー、最高ですね。もしかしたら、もっと先のわたしは、今とは違うピンクとグレーを見ているかもしれない。もっと好きになるかもしれないし、失望するかもしれない。

  

ふたつの「ピンクとグレー」

ふたつあるからおもしろい。

ふたつのピンクとグレーが絡まりあってさらに深みを増していく世界の真ん中にいるブレることなく美しい裕翔くん。すべてのひとの本気と共鳴する裕翔くんの本気。俳優:中島裕翔のすべてが詰まっている「ピンクとグレー」、たくさんのひとにみていただけますように!!!

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